- 三線日々好日
- 沖縄新進芸能家協会、第50回「定期公演」に出させてもらいました。
2016/12/22
沖縄新進芸能家協会、第50回「定期公演」に出させてもらいました。
プログラム等に名前が「太田」と載ることが多いのですが、正しくは点のない「大田」です(笑)
去る12月17日(土)、18日(日)の両日午後5時から那覇市久茂地のタイムスホールで沖縄新進芸能家協会の第50回定期公演がありました。
沖縄新進芸能家協会(略称・新進協)とは沖縄タイムス伝統芸能選考会の三線・筝曲・太鼓・笛・胡弓(沖縄の島言葉では「くーちょー」と言ったりもします)・舞踊の6部門の入賞者からなる団体です。賞は新人賞・優秀賞・最高賞・グランプリがあり、公演には中学生から70代まで幅広い年齢の会員が延べ340人出演しました(主催者発表)。
今年は50回目の節目ということもあり演目も幅広く構成され、舞踊は古典や雑踊だけでなく創作も盛り込まれ、また古典音楽・三線の演目も多めだった気がします。一日18演目、2日間合計で36演目でした。3年前は2日間で約20演目だったのでなんと約1.7倍の演目数アップ!一日3時間超の公演でした。ご来場いただいた方には十分楽しんでいただけたのではないかと思います。(ちょっと長かったかな!?)演目数アップのおかげもあり、私は2日間で古典音楽斉唱2つ、舞踊の地謡3つに出させてもらいました。
斉唱のうち「茶屋節・すき節」は手を忘れてしまいその分、歌でカバーしようと思いましたが後でDVDを見るのが怖い。。地謡はなんとかミスなくこなせましたがまだまだ練習不足を感じます。あと出番が終わって客席から他の舞踊地謡を見ると踊り手をしっかり見ながら歌っていました。自分は歌うので精一杯で舞踊の踊りを見る余裕がなかったのに気づきました。今年も収穫と反省のあった定期公演でした。
反省といえば、鎌田会長から「伊野波節(ぬはぶし)の独唱、一緒にやろうか」と言われビビッてしまい、断ったのもひとつです。頼まれごとは試されごと、頼まれたら「はい、喜んで」と引け受けなさい、と日頃から教わっているのにまだ実践が足りません。また会長にも日頃から、少し背伸びした方が上達につながる、舞台の体力は舞台でしかつかない、といわれているのにです。ま、でも会長は私の実力を知っているはずなので恐らく冗談だったに違いない。いや、一皮むけるチャンスを逃したな。。。気を取り直して、公演の紹介は20日の沖縄タイムスでも少しされていたのでご興味のある方はぜひご覧ください。
余談ですが、公演の翌日、父に「昨日の公演、新聞に載っているはず」というと「趣味どぅやるむんぬ新進芸能家やんどぉでぃいらりてぃタイムスんかいしかさりてぃ・・・(趣味なのに新進芸能家だぞといわれタイムスにおだてられて・・・)」と批判します。確かに私は趣味ですが、「父チャン、でも会員の中には本当にすごい技量を持つ将来の実演家がいっぱいいるぜ」と心穏やかに話します。舞台を見た人なら分かるかもしれません。父も本当は沖縄の芸能の素晴らしさ、それは沖縄の宝であることを知っています。父も三線を習い新人賞に合格していますし、私と公演に足を運んだり、私の歌を聴いて励ましたりくれます。ただ私の仕事なり諸々の成果が乏しいため私に不満があるのです。
父チャンごめんよ。でも三線弾いて歌っていると心が満たされるんだ、特に舞台などプレッシャーが大きい時ほど、また仲間と一緒にやる時ほど、深い喜びの中にいる自分を感じるんだ。例えると「かぎやで風節」の歌詞に出てくる「蕾で居る花の露行逢た如」(蕾んでいた花が朝露を受けて花開いたような)喜びだよ。三線の演奏と歌はともかく、魂の叫びだよ。それにしても短い歌詞で嬉しい気持ちを見事に表現するウチナーンチュの先人の感性の豊かさにもあらためて感動だね。今度一緒に三線弾こうねー。仕事も頑張るからさ。ともあれ出演された皆様、関係者の皆様大変お疲れ様でした。
最後に、写真を撮る余裕がなかったのですが17日の午前中の控室での練習の様子を紹介します。
創作舞踊・巌の松(いわおのまつ)の本番前三線地謡練習風景(YouTube)
本番の結果はいかに。。。
本番の様子をご覧になられたい方は第50回定期公演DVD(17日、18日の2本、各3,000円)が販売されますのでお近くの会員または私までお求めいただけると大変嬉しいです。三線についてはまたちょくちょく書いていきたい思います。
すべての曲を弾いて歌えるように早くなりたい。目標のひとつ!