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2017/03/05
さんしんの日 イベント
さんしんの日とは
3月4日の「さんしんの日」の午後、イベント主会場の読谷村文化センター鳳ホールに行ってきました。目的は古典音楽を代表する曲「かぎやで風節」を弾くためです。この日は、かぎやで風節が(一緒にくてぃ節も)正午から毎正時ごとに午後8時までなんと計9回も琉球古典音楽の各会派によってステージ上で斉唱され琉球舞踊家によって踊られます。かぎやで風節は琉球王国時代の国歌とも評され、私も大好きな歌のひとつです。一斉演奏は主会場だけでなく県内各地、そして県外や海外でも行われたようです。なんというユニークな企画でしょう。このような大きさの伝統的な音楽イベントは他県では類を見ないのではないでしょうか。あらためて沖縄の伝統文化芸能は宝物、大切に残していかなければと思いました。私は主会場には初めて参加したのですが、客席で遠慮がちに歌いました。所属する会の先生方はステージで歌われていたので私もいつか一緒にステージで歌わせてもらえるようもっと稽古と仕事に励みます。
〔参考〕さんしんの日とは
「一つの趣味は千の嫌悪から成り立つ」
ところで、さんしんの日に合わせたテレビの特別番組や他で面白い話をいくつか聞きました。テレビで見たのが「三線習うと遊び人になる」「三線する者は怠け者」と言われた時代があったという話です。短い内容だったのではっきり分かりませんが戦後の話だと思います。できれば詳しく研究したいと思いますが、これは同じく戦後もしばらくあった方言札とも深く関係するのではないかと思います。
またある師範の先生から聞いた話ですが、お知り合いの三線の先生が奥方に三線を庭に投げられたそうです(・□・;)これは戦後ではなく、数年前の話です。詳しいいきさつは聞けませんでしたが、その先生は三線を愛しすぎてしまい、それでつい奥方が三線に嫉妬してしまったのかも知れません。
以前何かで知った言葉に「一つの趣味は千の嫌悪から成り立つ」というものがあります。これは「一つの好みは千の違和感で成り立つ」ということで、先の先生も千の趣味を経て(捨て)至ったのが三線であり、生涯をかけるほどの思いが三線にあるのではと思います。世の中には常人が及ばない「人外」と呼ばれる世界があるそうです。三線の世界も時代時代をこのような方が様々な困難に遭いながらもそれを打破してきたから現代まで三線が継承されてきたのだと思います。この先生も三線に魅せられた方であり、また一流の通る道ではないでしょうか。ぜひどのような先生かお会いさせていただいてお話お伺いし、私の三線研究に生かしたいと思います。
さんしんの日のイベントの話に戻り、かぎやで風節の斉唱と斉唱の間は民謡の世界で活躍中の多くの歌者がそれぞれ歌を披露しました。今年はスペシャルトークゲストとして出演した元ザ・ブームの宮沢和史さんも歌(島唄)を披露していました。皆さん、素敵な歌でした。